「看護師は急変で患者さんの命を左右させるから怖い」
「責任が重すぎずストレスフリーな職場があれば転職したい!!」
と悩む看護師はあなただけではありません。病棟勤務の看護師は急変のリスクが常にあって休まらないですよね。
急変がなく命に関わりにくい仕事に転職できれば、仕事もプライベートも充実します。
この記事では『看護師が命に関わらない仕事20選』を紹介します。
メリットやデメリット、転職するときの注意点もまとめたので、この記事を参考に転職活動を始めましょう。
看護師が命に関わらない仕事20選
看護師が命に関わらない仕事の3つの特徴
- 急変がない・少ない
- ミスが命に直結しない
- ADLの自立度が高い人と関われる
特徴にあてはまるような仕事を紹介していきますね。
保健師
保健師は地域住民の健康増進に関わるのが仕事で、1歳半検診や3歳時検診や特定検診などの検診業務や、生活習慣病予防のための出前講座やカウンセリングをします。
基本的に地域住民の方と関わる仕事なので、命を左右する処置や業務をする機会がないため安心です。
唯一、県や政令指定都の保健師は精神科疾患を持つ患者さんの措置入院に関わるため、そのときは自分の身の危険を感じることがあります。
養護教諭
養護教諭といえば、『保健室の先生』です。学校での生徒の健康管理や、健康に関するアドバイスやカウンセリングを行います。
また、不登校児童の拠り所として保健室を開放したり、保護者向けの健康だよりを作ったりするのも仕事です。
看護スキルを使うとすれば、体育の授業や運動会、球技大会で怪我をした生徒の応急処置くらいでしょうか。
献血ルーム
献血ルームでの看護師は、採血や献血者の健康チェックをするのが仕事です。また、献血後の血圧測定や検査結果の説明などもします。
採血や献血機器の操作がメインの仕事となるため、急変に立ち会うことはほとんどなく、あるとすれば献血を受けている時に失神してしまう方の対応くらいです。
産業保健師
産業保健師は、主に企業の従業員の健康を守るのが仕事です。
会社内を点検して従業員が怪我をしたり、病気になる労働災害の予防をしたり、ストレスチェックや健康相談などを通して従業員の精神的サポートをしたりするのも大切な役割となっています。
訪問看護師
訪問看護師は、在宅療養している利用者さん宅を訪問して、利用者の健康状態のチェックや薬の管理、調子が悪いときには医師と連携して受診相談などをするのが仕事です。
また、利用者さんや家族へのカウンセリングやアドバイスをして、安定した生活を送れるように支援するのも重要な役割となっています。
ただ注意点としては、単身生活をしている利用者さんの訪問で亡くなっている方の第一発見者になるケースもあるため、「命に100%関わらないか」と問われると難しいところです。
看護学校教員
看護学校教員は、看護師の卵を育成する看護学校での教育、実習の調整や実践などをサポートするのが仕事です。
また、看護学生たちのキャリアアップや就職活動のサポートも行います。
検疫官看護師
検疫官看護師は海外から日本に来た人たちへの検疫活動や健康相談をするのが仕事です。
空港や港から入国する人たちの検疫業務、新型コロナウイルス(コロナウイルス感染症2019)が流行した際には最前線で感染予防対策を実施したのも検疫官看護師です。
狂犬病や黄熱などのワクチン(予防接種)を打つのも仕事の1つとしてあります。
直接患者さんと関わる機会がないのは良いのですが、検疫の最前線なので自分の命に危険が及ぶ可能性はあるかもしれません。
刑務所看護師
刑務所看護師は、刑務所内での健康管理や看護ケアや医療処置をするのが仕事です。
刑務所内の感染症対策や健康教育も担うので仕事は多岐にわたります。
一般刑務所と医療刑務所とで仕事内容が違うので注意してください。
一般刑務所は刑務所内の保健室のイメージで、医療刑務所は病院と似た仕事が多いです。
刑務所の受刑者の看護をするので「怖い」と感じる人もいるかもしれませんが、刑務所看護師は基本的に一人で受刑者と関わることはなく、刑務官の立ち会いのもとケアするので安心ですよ。
保育園看護師
保育園看護師は、園児の健康管理や内服が必要な園児の看護、怪我や病気になったときの対処や緊急時の応急処置をするのが仕事です。
また、保護者へのアドバイスや健康だよりを作るのも役割となっています。
また、アレルギー持ちの園児の健康管理や熱っぽい園児を親御さんのお迎えが来るまで看護するので責任は重いです。
急性アレルギー症状(アナフィラキシー)が発生した場合にはエピペンの筋注や判断を迫られるので園児の命を預かるという意味では責任重大です。
また糖尿病を持つ園児のインスリンや血糖管理もする場合があります。
ツアーナース
ツアーナースは、修学旅行や社内旅行に付き添って、旅行先での健康管理や医療処置を行う看護師のことです。
また、大きな怪我が発生したり、持病の状態が悪くなったりしたときは、救急搬送の判断や現地の医療機関との連絡や手配をするのも役割なので地味に責任が重い仕事かもしれません。
修学旅行なら怪我や熱中症の応急処置が必要ですし、重症度が高い方の家族旅行に付きそうときには責任重大です。
しかし大きな処置が必要になるケースは稀で、何もせずにツアーが終了するということもよくあります。
介護施設看護師
介護施設看護師は、介護施設の利用者さんの健康管理や医療処置をするのが仕事です。
老人保健施設や特別養護老人ホームなどの施設での介護度や医療度によって、看護師の負担は変わりますが、基本的に落ち着いている高齢者のケアに関わります。ただ急変時には救急搬送の判断や看取りをするので、命に関わる部分もあります。
スポーツナース
スポーツナースは、スポーツイベントやスポーツチームでの健康管理を担当する看護師のことです。
プロスポーツチームに帯同するスポーツナースは、選手の健康チェックやケガの予防、応急処置などを行い、スポーツパフォーマンスの維持や回復をサポートします。
また、トレーナーや医療スタッフと連携して、チーム医療の一員として活躍できます。
クリニック看護師
クリニック看護師は、個人経営の医院やクリニックに勤務する看護師のこと。患者さんの診療補助や処置や薬の準備を担当するのが主な仕事です。比較的軽症の患者さんの診療補助なので、命を左右する処置や看護にかかわる機会は少ないです。
病棟に疲れた人は一旦クリニックのパートなんかをして病棟と距離を置くのも1つの手かもしれません。
看護師Webライター
看護師Webライターとは、医療や健康に関するテーマについての記事を執筆することが主な仕事です。
病院や施設、医療関係者へのインタビューをして取材記事を執筆を担当する看護師Webライターもたくさんいますよ。
看護師Webライターは会社や組織に所属するというよりはフリーランスで仕事をしている人が多いです。
テーマパーク看護師
テーマパーク看護師は、テーマパーク内に設けられた救護所で来園者や従業員の怪我や急病の応急処置や健康管理をするのが仕事です。またパーク内でのイベントやショーの安全管理や、遊具の点検をして危ないところがないかをチェックするのも大切な仕事です。
ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンの救護室に勤務するのって憧れますよね。
ナースエデュケーター
ナースエデュケーターとは、CSO企業(ナースエデュケーターやMRなどを派遣する会社)に勤務して看護師や医療従事者向けの研修や教育を担当する看護師のこと。
病院や大学、企業などで、お薬の使用方法や副作用などの専門知識やスキルをレクチャーする講義や研修をします。
カウンセリングナース
カウンセリングナースとは、精神科での勤務経験を活かしながらカウンセリングに特化した看護師のこと。病気や治療に対する不安やストレスを抱える患者さんに対して、話を聴いたりアドバイスをしたり、必要に応じて心理的な支援をします。
病院や組織に所属しているカウンセリングナースも一定数いますが、ほとんどは開業してオンラインの通話サービスを利用して1対1でのカウンセリングをします。
コールセンター看護師
コールセンター看護師は保険会社や製薬会社のコールセンターに勤務して保険加入者やお薬の疑問がある方などに電話対応するのが仕事です。
コールセンターの業務は、24時間体制で行われている場合があり、夜勤のシフトがある場合もあります。保険加入者やお薬を内服している患者や家族からの電話相談に対応するため、看護師としての専門知識やコミュニケーション能力が求められます。
一方で、電話対応がメインなので電話口で緊急性の高い症状や命を左右するような対応をすることは稀です。
健診・検診センター看護師
健診・検診センター看護師は、定期的な健康診断や人間ドックを受ける人たちを対象に、採血や血圧測定、検尿をしたり、心電図や聴力検査をするのが仕事です。検査や検診の前後に、健康に関する情報提供やアドバイスをすることもあり、疾病予防や早期発見に関わります。
検診センターとして有名なのは日本予防医学協会ですよね。企業や病院でもバスで検診に来ているから見たことがある人も多いのではないでしょうか?
乳児院・児童養護施設看護師
乳児院・児童養護施設看護師は、児童福祉施設で生活する子どもたちの健康管理や医療処置を行う仕事です。乳児院や児童養護施設にいる子どもたちは複雑な過程の事情を抱えていることも多く、子どもたちの精神的なサポートをするのも重要な仕事の1つですね。
自傷行為をする子どもや希死念慮を抱えている子どもも多いので、精神的なストレスは高い仕事かもしれません。
看護師の命に関わらない仕事の特徴とは
吹田:看護師の命にかかわらない仕事ってどんな特徴があるの?
命の関わらない仕事は、こんな特徴があります。
特徴
業務が逼迫していない(人員不足ではない)
看護師に対する責任が重くない
急患が少ない(患者さんが急変しない)
詳しくみていきます。
業務が逼迫していない(人員不足ではない)
最初の特徴は、業務が逼迫していない(人員不足ではない)ことです。
スタッフの数が少ない職場は、受け持ちの人数も多くなります。
何か聞きたいことがあっても、みんな忙しくて声をかけられない。
そんな状況だともしも何かあった時に、自分一人で対処しなければいけません。
スタッフの数が拡充されている職場なら、そんな心配はありません。
誰かに助けを求められる状況があるか無いか?は非常に重要です。
職場選びには、スタッフの数が拡充しているかは絶対に確認しましょうね。
看護師に対する責任が重くない
次の特徴は、看護師に対する責任が重く無いことです。
実は、看護師が行う処置の内容は病院ごとに違うのは知っていましたか?
採血も医師が行う病院や、点滴留置は医師が行う病院。
輸血の留置や化学療法の留置を看護師が行う病院もあります。
このように行う処置によっても、看護師の責任の重さは変わってきます。
どんな処置をどの程度の頻度で行うのか?も転職の際には確認しておきたいね。
急患が少ない(患者さんが急変しない)
次の特徴は、急患が少ない(患者さんが急変しない)ことです。
緊急入院ばかりの病院ってありますよね。
3次救の病院などは、特に緊急入院や重症患者が多くなります。
そのためバタバタして忙しいのは、想像できますね。
しかし実は、3次救の病院は救急科があるので夜間に一般病棟への緊急入院はあまりありません。
救急科病棟がない2次救病院などは、緊急入院は一般病棟に入るので夜間に5件6件と入院が来ます。
急変に関しては、大きな病院は急変があってもスタッフが揃っているので対処できます。
しかし小さな組織だと、夜間に医師が常駐していないこともよくあります。
看護師をしている以上、絶対に急変に当たらないというのはないけどできれば当たりたくないよね。
看護師が命に関わらない仕事に転職する3つのメリット
命に関わらない仕事のメリットを紹介していきます。
ストレスが少ない
命に関わらない仕事に転職するメリット1つ目は、命を左右する仕事が少ないのでストレスがほとんどないことです。
命に関わらない仕事に転職すると、看護師のストレスは大幅に減ります。
患者の命に関わる重大な責任を負う点滴管理や処置、また急変などに対応していると神経がすり減っていく感覚は看護師なら誰しもが経験があるはずです。
命に関わらない仕事に転職することで、看護師はストレスを軽減し、より健康的な職場環境で働くことができます。
人間関係がいい・ピリ付かない
命に関わらない仕事に転職するメリット2つ目は、命を左右するケアや看護が少ない分、ピリつきが少なく人間関係が良いことです。
病棟や手術室で働く看護師は、多忙なスケジュールや緊急対応が求められるため、職場でのピリついた空気になることもしばしば。
命に関わらない仕事に転職すると、過度の緊張状態が少ないため、同僚や上司とのコミュニケーションがしやすくなります。その結果、良い人間関係の職場環境になりやすくなっています。
仕事とプライベートを両立しやすい
命に関わらない仕事に転職するメリット3つ目は、患者さんが亡くなって「自分の観察が甘かったのではないか」と悩んだり、急変対応で残業になったりすることが少ないので、仕事とプライベートの両立がしやすいことです。
病棟で働く看護師は、シフト制や長時間労働が一般的であり、プライベートの時間が犠牲になることが多いですよね。
命に関わらない仕事に転職することで、勤務時間が固定されたり、土日祝日が休みになることが多く、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。急変や転院などで予期せぬ残業がなくなるのは大きいです。
看護師が命に関わらない仕事に転職する3つのデメリット
看護師が命に関わらない仕事に転職するデメリットを紹介します。
給料が安い
命に関わらない仕事に転職すると、看護師の給料が低くなる可能性があります。
なぜなら、病院で働く看護師は、患者の命を救う重要な役割を担っているため、給料が高めに設定されているから。
一方で、命に関わらない仕事に転職すると、仕事内容の責任度が低くなり、給料が低くなることがしばしば。
命に関わらない仕事に転職することで、看護師の給料が低くなる可能性があるため、転職を検討するときには十分に注意が必要です。
看護師スキルが下手になる
命に関わらない仕事に転職すると、看護師の医療処置や看護スキルが低下する可能性があります。
病院で働く看護師は、日々の業務の中で様々な医療技術を磨けます。
しかし、命に関わらない仕事に転職すると、看護技術を維持・向上させる機会が減ります。
場合によっては看護師として病棟に復帰するのが難しくなる可能性もあるので、転職を検討するときは慎重になるべきです。
「絶対命に関わらない」と言い切れない
命に関わらない仕事に転職したとしても、「完全に命に関わらない」と保証するのは難しいです。
看護師がどのような職種に転職しようとも、その専門知識やスキルは人の健康に関わるものです。
そのため、どの職種に転職しても、看護師としての責任を完全に避けることは難しいと言えます。
今回紹介した職種も基本的には命に関わる状況が少ないですが、緊急事態が発生した場合、看護師としての対応が求められます。
看護師が命に関わらない仕事に転職するときの3つの注意点
看護師が命に関わらない仕事に転職するときの注意点を紹介します。
看護師転職サイトに登録する
看護師が命に関わらない仕事に転職するときは、必ず看護師転職サイトに登録しましょう。
なぜなら、看護師転職サイトは病院以外の職種で看護師資格を活かせる求人情報が豊富で、あなたに合った求人を見つけやすいからです。
命に関わらない仕事の求人情報を効率的に検索し、自分に適した仕事を見つけて、早く病棟から逃げたい人は必ず、看護師転職サイトに登録しましょう。
求人情報をしっかりとチェックする
命に関わらない仕事に転職する際には、求人情報を入念にチェックするのが大切です。
求人情報を十分にチェックすることで、労働条件や待遇、仕事内容などが自分に合っているかどうかを事前に把握でき、後悔のない転職ができます。
できれば、1つの看護師転職サイトの求人情報だけを確認するのではなく、ネットで会社や組織を調べたり、GoogleMapで会社の口コミを確認したりして、多方面から情報収集すると偏った情報収集にならずに済みますよ。
職場見学をして自分の目で雰囲気を確認する
命に関わらない仕事に転職するときは、職場見学を必ずして、自分の目で職場の雰囲気を確認しましょう。
なぜなら、職場見学をすると、実際の仕事環境や人間関係や職場の空気感を見られるので、自分に合うかどうかを判断できるからです。
自分に合わない職場を除外できるのが職場見学のもっとも重要なところです。
職場見学を通じて、仕事内容や職場の雰囲気が自分の希望に合致するかどうかを確認し、自分にとって最適な転職先を見つけましょう。
まとめ
看護師は日々、命を左右する仕事をしているのでストレスフルな毎日です。
病棟だけが看護師の生きる道ではないので、ぜひこの機会に看護師資格を活かしてできる命に関わりのない仕事を探してみてください。
転職先を探すときには必ず看護師転職サイトに登録の上で、求人情報をチェックして職場見学をしてから面接を受けるようにすれば、後悔の少ない転職になりますよ。