看護師は激務で有名な仕事ですが、果たして退職をする際に、本当に有給消化できるのか気になる方も多いかもしれません。
結論として、有給消化は看護師であっても問題なく可能です。
本記事では、看護師が円満に有給消化を行うコツと、万が一有給消化が認められない場合の対処法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
当ブログは元看護師の管理人が、看護師の方がより快適に働くための情報を発信していますので、元看護師の目線で網羅的に退職や有給消化のコツをご紹介します。
看護師は退職時に有給消化できる?
結論として、退職時の有給消化は全労働者が可能です。
なお、有給消化は残された有給休暇をすべて消化することを指します。
有給休暇は、最終出勤日の前後に消化するケースが一般的です。
看護師の場合、最終出勤日から有給消化を希望する方が多い傾向にあります。
たとえば、4月30日が退職日で有給休暇が30日ある場合は、3月31日が最終出勤日となり、4月1日から有給を消化していきます。
詳しくは後述しますが、有給消化は病院に勤務する看護師の当然の権利です。
人員不足やシフト調整に支障があっても、気にせず有給消化する権利があるので、安心して有給消化申請を行いましょう。
看護師が円満に有給休暇を完全消化するコツ
退職時期は、職場の希望を考慮しましょう。法律上は、2週間前に退職の意思表示をすれば問題ありません。
ただし病院によっては、たったの2週間では引き継ぎに困ることがあるでしょう。
そのため「あと2ヶ月待ってくれないか?」と退職時期の希望を提示されたら、なるべく要望を聞き入れることが大切です。
実際、そのほうが病院側も有給消化の期間を決めやすくなります。
つまり、病院と看護師の双方が納得する形にすることが、円満に有給を完全消化させるコツです。
また、引き継ぎが終わっていないのに有給消化といって職場に顔を出さないのは、無責任と言われる可能性が高くなります。
つまり、最低限やるべきことをやってからの有給消化なら認めてくれるかもしれません。中途半端な状態で有給消化を交渉するのはNGです。
なお、看護師が円満退職するためのコツは下記の記事を参考にしてください。
看護師「労働者」が退職時に有給をもらえないのは違法である
看護師の方には、退職時に有給をもらえないことで悩む方が多いと思います。
実際、当ブログの管理人の周りでも、有給消化をもらえずに退職した方もいます。
しかし、病院側が有給を拒否するのはそもそも違法です。どんな理由があっても、有給の申請を拒否できません。
つまり、使用者には有給休暇が残っている従業員に対して有給を消化させる義務があるので、必ず申請するようにしましょう。
最低限は知っておきたい有給休暇のルール4つ
- 有給消化は看護師の権利
- 有給消化の条件
- 勤続年数で有給日数は増える
- 有給消化に理由は不要
それぞれ順番に解説します。
有給休暇は看護師の権利
有給休暇は、労働基準法第39条で定められています。
参照元:https://roudou-pro.com/columns/192/
だからこそ、看護師に有給休暇を取得させるのはあなたが勤務する病院の義務です。
なお、有給休暇の権利は、正社員だけでなくパート社員やアルバイトにも適用されます。
有給休暇の取得が可能な看護師の条件
有給休暇の取得ができる条件は、以下の2つです。
- 雇い入れ日から6ヶ月経過していること
- 全労働日の8割以上出勤したこと
つまり、あなたが看護師として6ヶ月以上働き、ほぼ欠勤していないなら消化すべきです。
勤続年数で有給日数は増える
雇い入れ日から、1年が経過するごとに有給日数は増えます。最大で35日の保持が可能です。付与される有給日数は、今働いている職場に直接確認してみましょう。
有給休暇の取得に理由は不要
特別な用事がないと、有給は取得できないと勘違いしている方は多いです。
しかしそれは嘘であり、有給休暇の取得に理由は不要です。
つまり、看護師も有給消化する理由を病院に伝える必要はありません。
看護師が退職時に有給を消化できないと言われた時の対処法3つ
- 労働基準監督署へ相談
- 病院側とよく話し合う
- 残っている有給休暇を買い取ってもらう
それぞれの対処法を順番にご紹介します。
労働基準監督署へ相談
最も手っ取り早いのは、労働基準監督署へ相談することです。
あなたが「違法だ」と主張しても、大半の病院には無視されるだけでしょう。
だからこそ、労働管理を専門とする労働基準監督署へ相談が最も手っ取り早く、有給消化できる可能性が高くなります。
さすがに労働基準監督署から行政指導をされたら、あなたの勤務先も無視できなくなります。
円満退社は厳しくなりますが、看護師の権利を守るためにも行動しましょう。
病院側とよく話し合う
有給消化をさせない経営者には、以下のような考えで有給消化を拒否する方もいます。
- 従業員は有給休暇の仕組みを知らないはず
- 拒否しても文句は言えないだろう
- どうせ訴える気はないでしょ
特に若手や新人の看護師に対して、このように思う職場は多いです。
経営者や管理職の方で、有給休暇を取得させる義務を知らない方はいません。
そのため断られてしまった場合は、もう1度強い意思を持って話し合ってみるのもありでしょう。
「訴えますよ」という意思が伝われば、さすがに有給消化を認める可能性が高いです。
残っている有給休暇を買い取ってもらう
法律的には有給休暇の買取は認められていません。
ただし、会社によっては有給買取の制度を設けている場合があります。そのため、病院へ確認してみましょう。
実際に休んで消化する形でも、買取でも看護師には有給をすべて消化できる権利があります。
有給消化を1度拒否した方と交渉するのは、時間の無駄になるかもしれません。
繰り返しますが、最も手っ取り早いのは労働基準監督署へ相談することです。話し合いにならない場合は、迷わず労働基準監督署を頼ることが重要です。
看護師の有給消化率の実態
2021年の看護師の有給消化率は、平均で64.7%と発表されています。
全体の職業なら有給取得率が50%を下回っているので、平均よりは高めです。
しかし、あくまでも平均なので参考程度にしかなりません。
実際は有給消化を拒否される方も多いですし、実体験を次の章でまとめています。
有給消化を拒否された看護師さんの実体験
実際に有給消化を拒否された看護師の声を、Twitterより引用しています。
看護師「労働者」の有給休暇が残ったままの退職は損しかありません。
看護師(労働者)は、有給休暇をいただく当然の権利があります。
つまり、有給休暇が残ったままの退職はもらうべき給料をもらわず退職するのと同じなので、しっかりと有給消化するようにしましょう。
まとめ:退職時の有給消化中にするべきこと
看護師にも有給消化をして退職する権利がありますし、拒否は違法なので、遠慮せずに労働基準監督署へ相談しましょう。
有給消化でリフレッシュするのも良いですが、転職先が決まっていない場合は転職活動もすることが必要です。
なお当ブログ(のんびり温泉大家の看護師ブログ)では、現役の看護師の方を応援するための情報を発信中です。看護師におすすめの転職エージェントも紹介しているので、有給消化中にぜひ活用してみてください。