
本当は退職前に有給を全て消化したいんだけど無理なのかな?
実際に消化した人がいるなら体験談を聞いてみたいな。
本記事はこんな悩みを解決します。
こんな人にオススメの記事です
- 有給を取得したいけどどう取得すれば良いかわからない人
- 実際に有給を取得した人の体験談を知りたい人
- 有給消化に関する注意点や疑問点を解決したい人

- 本業:看護師をリタイア
- 30代 男性 3人の子持ち
- 退職時有給を全て消化して退職
看護師をしていると有給を消化することなんて無理だと思っていませんか?
この記事を読めば誰でも有給を消化して退職できますよ。
では本文へどうぞ
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看護師の退職について

看護師の退職について説明してきましたが退職には3つの種類があります。
退職の種類
- 定年退職…病院の就業規則に記載されている年齢に達した時点で雇用解除となり退職すること。
- 自己都合退職…結婚・引越しなど自己の都合による退職。
- 会社都合退職…病院の倒産・リストラなどの理由による退職
おそらく多くの人は自己都合退職に当たると思います。定年退職まで働くのは本当にすごいことです。
看護師退職までの流れ

有給を消化して退職するには退職までの流れを理解して計画的に進めていく必要があります。
退職までの流れを見てみます。
退職までの流れ
- ステップ1:事前準備・自己分析
- ステップ2:求人検索・情報収集
- ステップ3:書類作成
- ステップ4:応募・面接
- ステップ5:給料などの待遇の交渉
- ステップ6:引き継ぎ・退職
このような流れになります。
退職までの流れについて詳しく解説した記事を読む
→【簡単準備&手順】看護師転職の流れを6つのステップで徹底解説
看護師の有給消化について

次は看護師の有休消化についてみていきます。
そもそも年次有給休暇って何?
看護師の有給を消化できない問題点について確認していきます。
年次有給休暇とはなんだろう?

そもそも有給ってどんなものなのかな?
有給は正式名称を年次有給休暇といい労働基準法第39条に記載されている法律になります。
厚生労働省、東京労働局のリーフレットにはこのように記載されています。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/newpage_00379.html
有給とは
- 要件を満たした全ての労働者が取得できるものであり会社は拒否することはできない。
- 会社側は時季変更権を行使することはできる。
会社側は有給取得を拒否することはできないし、時季変更権も単に「多忙だから」「代わりの従業員がいないから」という理由だけでは認められないのです。
有給を買取してもらうというのもよく聞きますがこちらについては

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/nenjiyukyu/q4.html
このように記載があります。
原則としてはという記載があるように基本的にはできませんが、条件により買取が可能になることもあります。
有給を消化できない問題点
看護師が有給を消化できない1番の問題は僕ら看護師側にあると僕は思っています。
看護師が有給消化できない問題点
- 看護師が無知である
- 取れないものと諦めている
僕も看護師になって最初の5年目くらいまでは有給が労働者の権利であることすら知りませんでした。
また周りの看護師も有給をとっていないので、有給は取得しないでどんどん働く方が良いことだとすら思っていました。
有給消化が少ない自慢を看護師同士、師長としている時期もありました。無知って怖いですね。
有給は申請すれば必ず取得することができます。
拒否すれば労働基準法違反になります。
まずは僕ら自身が正しい知識を持って自分たちで働きやすい環境を作っていくことが大切です。
看護師をしていると休みたくなることもありますよね?絶対に休める内緒の裏技も大公開!!
→【誰でも簡単】よくある看護師の当日欠勤の理由と具体的な方法
退職前に有給消化する方法

看護師の仕事をしていると有給なんてあってないようなものであり、自分で申請して取得することなんてできないものという認識の方も多いと思います。
しかし本来有給は労働基準法で定められている労働者の権利であり会社側は拒否することはできないのです。
40日の有給が残っていれば約2ヶ月間は休みが取れます。
しかも給料をもらいながらです。
今まで十分病院側に貢献してきたのですから最後くらい有給を消化してもバチは当たらないと思いますよ。
ステップ1 まずは上司と相談する
退職前に有給を消化する場合、まずは上司に有給を取得することを相談しましょう。
本来であれば○月○日から退職日まで有給を取得しますと言って申請書を提出すれば良いだけなのですが、看護師の場合は上司に拒否されることが多いと思います。
そのため退職する予定は早めに伝え、退職前に有給を全て取得することもその時に伝えましょう。
退職前にまとめて有給を取得するのではなく毎月○日づつ有給を取得するというような計画を上司と一緒に決めることが重要です。

今まで病院のために頑張ってきたので最後くらい有給を取得させていただけませんか?
上司と相談する際の注意点として喧嘩腰ではなく、あくまでもお願いベースで相談しましょう。
労働者の権利だからと攻撃的に出ると上司も素直に良い返事はしてくれません。
どんなにポンコツで使えないクソ上司でも最初は我慢して話し合いから始めましょう。
そうは言っても上司との相談のみで有給を消化できる方はほぼいないと思います。
有給消化を断る主な理由
- 他のスタッフの迷惑になる
- 人がいないから有給なんて無理
- 有給を消化する人なんていない
こんな風に言われることが多いです。
上司との相談のみでの解決が難しい場合は次のステップに進みましょう。
ステップ2 労働組合に相談する
上司との相談のみで解決できなかった場合、次は労働組合に相談してみましょう。
労働組合とは労働条件向上のための組織です。
有給取得できない旨を相談すれば良いアドバイスをしてもらえる可能性があります。
注意点としては、病院によっては労働組合がないことがあります。
その場合は、日本医療労働組合連合会という病院や診療所で働く労働者・労働組合で作っている医療の労働組合があります。
そこで相談することができるでしょう。
労働組合からのアドバイスでも解決できない場合や、再現性がないアドバイスの場合は次のステップに進みましょう。

労働組合もアドバイスはくれますが、結局は病院のスタッフなので円満な退社を勧めてくることが多い印象です。
ステップ3 労働基準監督署へ相談
上司との相談、労働組合への相談でも解決できない場合は最終的に相談するのは労働基準監督署になります。
労働基準監督署は労働に関する法律を守っているか監督する組織です。
有給取得を拒否することは法律違反になるため相談すれば解決できる可能性はかなり高くなります。
ただし病院側から見ると労働基準監督署に相談するということは告げ口をされたようなもなので面白くありません。
そのため労働基準監督署に相談する場合は病院との交渉は決裂しており、円満での退社にはならないことが多いです。
僕自身も最終的には労働基準監督署に相談し、その旨を上司に報告するとすぐに有給取得できることになりました。
しかし退職まで多くの嫌がらせを受けることにもなりました。
ですので労働基準監督署に相談するのは最終手段だと思ってください。

労働基準監督署の影響力はすごいね。
有給消化までの実体験

僕が退職前に有給を全て消化した流れを書きます。
退職の申し入れ
僕は3月退職だったのですが、上司に退職を伝えたのは約1年前の3月くらいでした。

退職まで1年以上あるので少しづつで良いので有給を消化していきたいのでよろしくお願いします。
と伝えました。
今まで働いてきて有給を使えないことはわかっていましたし、定年前でも消化できずに退職する先輩を多く見てきたので少しでも消化できればと思い早めに伝えました。
有給は本来申請して休みをもらうのですが、看護師の場合は上司が勤務表を作る際に勝手に有給の日程を組むのでその日程で申請を出すことが普通になっています。
その時点で違法なんですが看護業界はそれが普通になっている異常な業界です。
有給が取得できない
早めに退職を伝えたのですがそこから半年間、ほとんど有給は取得できていませんでした。
そこで僕は上司へ改めて有給を取得できるよう伝えました。

有給取得が進んでいないんですが。
勤務希望表に有給希望書いといてくれれば考慮するわよ。

僕はこの時点では病院や上司と喧嘩したいわけではないので、有給も半分くらい消化できれば良いかなと思っていました。
1年前から少しづつ消化できるように3日づつ程度を勤務希望表に記載していたのですが、全く希望は通っていませんでしたがもう少しだけ上司を信じてみることにしました。
有給取得はできずに時間だけがすぎていく
秋になっても有給取得は進まず退職の日だけが少しづつ近ずいてきていました。

退職が近くなってきたのですが有給取得が進んでいないのですが。
どんどん希望書いいてくれればできる限り有給にするよ。


毎月書いているんですが。
なかなか人がいなくてね。来月からは頑張って消化できるように勤務作るよ。

なかなか動いてくれない上司に苛立ちを感じていましたがとりあえず来月の勤務表を待つことにしました。
しかし退職までに時間も少なくなってきていたので労働基準監督署へ相談をしました。
労働基準監督署からのアドバイス
- 有給取得を拒否することは違法であるため取得できないことはない。ただし申請した書類、病院側が拒否したとわかるものが必要である。(例えば申請書のコピー、申請を拒否する病院側の書面、話し合いの録音データなど)
- 上記の証拠があれば労働基準監督署が調査に入れる。
- 退職日を変更したり取得しやすい時期などを相談し病院側と落とし所を探るのはどうか?
- こんな相談が来ていますと労働基準監督署から相談内容を病院に電話で伝えることも可能。
このような内容でした。
病院側と折り合いがつかない場合はまず労働基準監督署から電話してもらい、それでも難しければ調査に入ってもらう流れにしようと考えました。
事務部へ確認したこと
- 有給の残日数の確認
- いつを最終勤務日にすれば全ての有給を消化できるかの確認
- 退職に必要な書類の取得
- 有給消化に関して不明な点の確認
まだ有給を全て消化するかは決めていませんでしたが有給消化のリミットを確認する上で早めに確認しました。
僕は有給取得に関して初めに相談した日からざっくりとしたスケジュールを立てていました。
- 1年前…毎月3日程度取得する。→無理なら次のステップ
- 半年前…毎月5日程度取得する。→無理なら次のステップへ
- 4ヶ月前…年を越す前に方向性は決めないと間に合わない。方向性を決めるリミット。
ついに有給を全て消化できることに!!
正直労働基準監督署に相談していることは上司に伝えずらいなと思っていました。
理由はそのことを話したら病院側、上司との関係性は崩れることがわかっていたからです。
結局翌月の勤務表も有給を加味した内容ではありませんでした。
僕は今までできる限り待ち、条件面でも譲歩してきましたがもう全てやめました。
残っている有給を全て消化しようとこの時に初めて決めました。

結局有給ついてないんですが。
ごめんね。また希望書いといて。できる限りつけるから。


もう退職までの時間もないですし間に合わないです。このままだと全く消化できずに退職になるので全て消化することに決めました。
え?無理無理無理。無理に決まってるよね。わかるでしょ?


労働基準監督署にアドバイスいただいたんですが有給取得が難しい場合は書面で有給取得を拒否する旨を記載してください。
。。。有給を全て消化する人なんて私が看護師になって初めてです。

こんな捨て台詞を上司には吐かれましたが、とりあえず無事に消化できることの了承を得ることはできました。
色々と調べていた中で労働基準監督署の効果は抜群と書いてありましたが本当でした。
退職時の有給消化で注意点4選

有給消化の際に注意する点が4つあります。
退職時の有給休暇取得での注意点
- 上司には嫌われることを覚悟しよう
- 同僚から嫌われる可能性はある
- 有給申請はできるだけ早めに
- 必ず取得するという強い気持ち
詳しく見ていきます。
1.上司には嫌われることを覚悟
退職時に有給を消化するということは病院側からしたらスタッフが1人減るので嬉しいことではありません。
そのため有給消化ができないような環境を作ってきたのです。

あなたが有給を取得すれば他のスタッフが大変になるのよ。有給をとっているスタッフなんて誰もいないでしょ。
このような圧力をかけて有給を消化しない謎の文化を作ってきたのにそれに反する行動をとったら確実に嫌われます。
しかし間違ったことをしているわけではないので気にしないようにしましょう。
実際僕自身も師長から多くの嫌がらせを受けましたし嫌味も言われました。
師長連中は病院側の人間なので立場上有給を取得できないようにするのは仕方ないんですよね。
有給を消化する場合、上司に嫌われることは覚悟しましょう。
有給も欲しいけど、できるだけ円満に退職したい方はこちらの記事をどうぞ
→【円満退職】看護師が円満退職するためのタイミングと4つの注意点
2.同僚からも嫌われることを覚悟
有給を消化することで同僚からも嫌われる可能性もあります。
有給消化を申請したことで同僚に嫌われて働きづらくなったらどうしようと不安になる人が多いと思います。
もしあなたが逆の立場だったらどうでしょうか?
有給を消化する同僚を嫌いになりますか?
誰かが有給を消化すると病棟のスタッフが減るので病棟は大変になるかもしれません。
しかし病棟スタッフが少ないのを有休消化する人のせいにするのは間違いですよね。
そんな人員配置しかできない病院幹部連中の能力不足がいちばんの問題なのです。
そこを履き違えてはいけません。
同僚の中にはそのことに気づいていない看護師もいるかもしれません。
その場合は嫌われてしまうかもしれませんが、自分たちの職場環境を良くすることにもつながるので強い気持ちを持つことが大切です。
本音ではわかりませんが僕の場合は働きづらくなることはありませんでしたよ。むしろ前例を作ってくれてありがとうと言ってくれるスタッフもいました。
それだけみんな変だと思いながらも有給を消化できずにいたんだなと感じました。
有給を取ると他のスタッフに迷惑がかかるのよ!ってスタッフを人質として考えている発言ですよね。怖い怖い。
3.有給申請はできるだけ早めに
有給は労働者の権利ですが病院には今までお世話になったことも事実です。
できるだけ迷惑がかからない形で有給を消化するのが良いと僕は思います。
そのためには早めに退職の申し出をして有給を取得する旨も伝えましょう。
早く伝えることで取得時期の相談や、有給の買取の交渉など選択肢が広がります。
僕も有給は消化しましたが取得時期は相談しながら決めましたよ。
4.必ず有給を取得するという強い気持ち
有給を消化する際にいちばん大切なのは有給を消化して退職するという強い気持ちです。
この気持ちが弱いと病院側にうまく丸め込まれて有給を消化できずに退職することになってしまいます。
有給を消化するために上司からの当たりが強くなるかもしれません。
その時は辛いかもしれませんが諦めない強気気持ちを持ちましょう。
その先には1ヶ月程度の長期間の休みがあります。
1ヶ月の休みがあったら何をしたいですか?休みの日を楽しみにしながら乗り切りましょう。
退職時の有給休暇でよくあるQ&A

退職時の有給消化についてよくあるQ&Aを集めました。
有給を消化することでスタッフに冷たくされたり嫌がらせをされない?
スタッフの中にはあなたが有給を消化することで、人がさらに減り忙しくなるためよく思わない人もいるかもしれません。
しかしそんなことは一切気にしなくて大丈夫です。
スタッフからは「普段有給取得なんてできないから最後くらいゆっくり休んでね。」や「有給をとって辞める前例を作ってくれてありがとう」という嬉しい声かけももらえました。
師長などの上司連中からの嫌がらせはありましたが、最後まで情けない上司、病院だなと呆れるだけでした。
繰り返しになりますが有給を消化することは当たり前のことです。
それを今までうまく病院に丸め込まれていたのです。
怒りは有給を消化するスタッフにではなく、適切な人員配置ができない上司連中に向けるべきなのです。
病院はスタッフを人質にとって有給を取る人間を悪者に仕立て上げていたんですよね。
有休消化を断られたら?
有給消化をする旨を伝えても最初はほぼ断られると思います。
その場合はこの記事にあるように進めてみてください。
最終的には労働基準監督署に相談して病院に連絡してもらうようにすれば取得できると思います。
実際僕も有給なんて無理と言われていましたが労働基準監督署の話を出した途端に取得できることになりました。
看護師は有給も取得しにくいだけじゃなく、退職時も強く引き止められるんです。
→看護師が引き止めに遭わずに退職する方法〜みんなの悩みを徹底解説〜
自分たちで働きやすい職場環境を作っていこう

退職時に有給を消化している看護師なんて見たことがない。
自分が有給を取ることで他のスタッフに迷惑がかかるかもしれない。
看護師の有給にはこんなイメージが強いと思いますが、自分たちが動かないと何も変わりません。
病院や師長などの上司連中はずるいのでなんとかして有給を取らせないようにします。
本来は自分たちが労働基準法を違反していることを棚に上げて、有給を使うスタッフを悪者にしようとします。
そんなアホな流れは自分たちで無くしましょう。
自分たちで動くことでより良い職場環境を作れます。
より良い職場環境を作れるのは自分たちだけなんです。
今後の後輩たちのためにも病院の悪いところを正してあげましょう。
看護業界の闇!?有給は師長が勝手につけるもの?
→【看護業界は異常】看護師は有給を勝手に消化されるって本当!?
まとめ:【諦めないで】看護師退職前に有給消化

本記事をまとめます。
有給休暇取得の流れ
- 退職、有給相談は早めに始める
- あらかじめ自分の中でスケジュールを決めておく
- 有給の残日数など自分でできる準備は進めておく
- 有給消化の不明点は早めに確認しておく
- 話し合いで難しそうなら労働基準監督署へ相談
- 有給消化によって嫌がらせを受ける可能性がある
- 有給を取得するという強い信念を持つ
看護師業界は有給を取得しないことが当たり前とされています。
看護師になる人は性根は優しい人が多いので本当はみんな有給を取得したいのですが、他のスタッフに迷惑がかかるからと我慢してしまいます。
上司連中はそんなスタッフの優しさを悪用して
- 他の人が困ってもいいのか?
- 自分だけ有給を取ることを悪いと思わないのか?
- 私たちも有給なんて使えなかったんだから取れなくて当たり前でしょ。
こんな言葉を吐きかけてきます。
でも負けないでくださいね。
あなたが有給を取得することで前例ができます。
前例ができれば、本当は有給を取得したいと思っている人が取得しやすくなり有給を消化することが当たり前になるかもしれません。
看護師の有給について調べていると同じ悩みを抱えている人が非常に多いことがわかります。
少しづつで良いので看護業界が良い労働環境になるようみんなで頑張りましょう。
以上。
のんびり温泉大家がリタイアできた副業の体験談も読みたい方はこちら
→【看護師におすすめの副業】実際に僕がリタイアした副業を教えるよ